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調査研究論文
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調査研究論文の要旨

 

「我が国中小企業の社会的責任の現状と課題」

  • 企業の社会的責任(CSR)は国際社会で活動する大企業のみならず、中小企業も果たさなければならないものであるとして、CSRに対する論議が近年にわかに高まっている。 国際的には CSRをISOのように規格化しようとの動きもある。大企業は専門担当部署を設け、CSR報告書の発行数は増加の一途を辿っているが、不祥事は一向に減少していない。他方、中小企業によるCSR活動は未だ十分浸透していない。しかし、CSR は今や世界的な潮流となっており、21世紀の企業経営では、CSRを無視した企業活動は許されない。
  • CSRとは、「企業は社会を構成する一員として、株主、従業員、取引先、消費者および地域社会といった利害関係者に対して社会的責任を負っており、それを果たすためにさまざまな取り組みを行わなければならない」という考え方であり、具体的取組み内容として、①人権尊重に関するもの、②環境保護に関するもの、③消費者保護に関するもの、④地域貢献(地域社会との共生)に関するものが考えられる。そしてCSRを果たすには、①法令遵守(Compliance) 、②情報開示 (Disclosure) 、③透明性 (Transparency) 、④説明責任 (Accountability)、⑤危機管理(Risk-management)が求められている。
  • CSR無視・軽視が結果的に企業倒産、企業の衰退・縮小を招いた例は、依然として国内外ともに後を絶たない。企業に対する目が一層厳しくなっている経営環境の中で、CSRを軽んじ企業の反社会的な行為が明るみに出れば、それは販売不振・業績悪化へと直結し、企業の存続すら危うくなり、従業員が路頭に迷うことになる等、様々な経営リスクが降りかかってくる状況が生まれている。
  • 実際にCSRを実践している中小企業の多くは、CSRを十分認識しないまま、したがってCSR報告書を作成することをせずに、創業時に或いは設立時に制定した社是や経営理念に従った経営を継続し、地域に密着した地道CSR活動を行っている。
  • 中小企業が CSRを果たすには、従業員に対する意識付けの道具として、或いは社会に対する自社のメッセージとしての役割が大きい経営(企業)理念や社是・社訓を有効に活用することが重要である。その際、単なる経営テクニックとして導入するのではなく、精神としての導入・定着を図ることが必要であり、そのためには、日々の企業活動に反映させようとする強い思いが求められる。CSR成功の成否が経営者の強いリーダーシップに依存することは、日本経団連の「企業行動憲章」においても指摘されている。この点でオーナー経営者の多い中小企業は、日常の経営行動・企業活動に影響を及ぼすことが、大企業に比べ容易であると思われる。
  • CSRは経営「テクニック」ではあり得ず、企業が事業活動を行うに当たって当然に「内包」している、内包すべき性質のものである。中小企業がしっかりした 社訓を有し、それを忠実に実践すれば決して世界の動きに遅れることはない

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