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調査研究論文の要旨

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小売業の展開と流通政策の現状・課題

  • 平成12年の「まちづくり三法」施行後、市街地の活性化に向けた各種の取組がなされてきたにもかかわらず、中心市街地は、居住人口、歩行者通行量、商店数、商店街売上げ額のいずれもが減少し続け、まちの衰退は一層深刻化している。
  • 商業統計によると、近年の小売業における事業所数、年間商品販売額は減少し、他方売り場面積が拡大しているが、大店立地法による届出状況、チェーンストア及びショッピングセンターの動向などから、大型店の小売業に占める年間商品販売額シェアは上昇しているものと推測され、大型店の増加・拡大と中小商店の衰退が窺われる。
  • このような地域における小売業の状況から、各地方自治体はこのままでは地域商業の衰退が中心市街地の衰退、すなわち街の衰退が危機的になることを認識、危惧し、いわゆる「まちづくり三法」の改正・改定を超えた大型店の立地を規制する条例やガイドラインの制定等の独自の対応を検討する動きが急である。
    このうち地域商業の衰退を深刻に受止める自治体にあっては、「まちづくり三法」の改正・改定では不十分であるとして、広範な地域に影響を与える大型商業施設の立地等を広域調整の観点等から規制する条例やガイドライン等の制定に踏み切っている。各自治体の独自規制の内容は、概ね①立地規制(ゾーニング)、②広域調整、③地域貢献、の3点であり、この3つ全部、又は一部を含んでいる。
  • 地方自治体による大規模集客施設に対する立地規制等の動きに関して、大型店で構成される日本チェーンストア協会は、売り場面積の大小や立地地域などに関し、むやみに規制を導入することなくバランスのとれた対応が必要であると主張している。しかし、大型店側は、立地規制や広域調整に不満を示しながらも、地域貢献については、大型店のまちづくりに対する積極的な参画や退店時の適切な対応に関する自治体及び地元商業者からの指摘を真摯に受け止め、今後地元との連携・協働を行うとしている。
  • まちづくり三法のうち、都市計画法及び中心市街地活性化法は改正され、平成19年に施行されるが、関係法改正後も依然として地元の懸念が払拭されないため、自治体は周辺環境への影響も大きく、中心市街地衰退の大きな要因となっている郊外への大型店の立地について適正化を図るため、独自規制が必要であると考えている。
  • わが国社会に欠けていたものは、商店街が「社会インフラ」であるとの認識やこれまで地域社会で果たしていた役割の大きさである。古くから中心市街地に所在してきた商店街が地域社会で濃密で良好な人間関係を形成し、地域社会のコミュニケーションの触媒となり、結果として安全・安心な社会構築・維持の一翼を担ってきた存在であることを再認識する必要があろう。

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