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調査研究論文の要旨

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中小企業金融検討のための「固定費配賦型収益モデル」の提起について

  • 近年、中小企業金融の困難性について、主として学究的立場から、“情報の非対称性”とそれから派生する“エージェンシーコスト”によって説明されることが多くなっている。既に、これは定説化しているとも言ってよい。ところが一方で、実務家の立場からは、この説明振りに違和感を抱く向きが多いことも事実である。
  • 本稿では、そうした問題意識から、まず情報の非対称性とエージェンシーコストの議論を整理した。情報の非対称性という事実は否定出来ないとしても、金融実務家がどの程度エージェンシーコストを意識して、日常の業務運営を図っているかについて疑義のあることを論述した。
  • そして、そうした議論を踏まえたうえで、金融機関が通常実施しえる収益管理モデルを提起した。このモデルでは、金融機関は、純収支率と固定比率をコントロールすることによって収益の極大化を図るものであることが示される。さらに、この延長線において、日々の収益管理の徹底が図られれば、中小企業金融のハードルが高くなることも併せて示される。
  • 中小企業金融の阻害要因が金融機関収支である方が、その原因を情報の非対称性であるとするよりは解決の途が見出しやすい。企業努力によって、フロンティアの拡大が可能であるからだ。
  • なお敷衍すると、情報の非対称性は近年にわかに生じたものではなく、従前から存在した。それが明確に取り沙汰されなかったのは、様々な実用的工夫を講じることによって、その緩和が図られてきたからにほかならない。メインバンク制などは、その工夫のひとつである。そうした意味で、今必要なのは、中小企業金融ノウハウの再構築なのである。

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