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調査研究論文の要旨

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「諏訪地域の工業集積と地域経済活性化への取り組み」

  • 諏訪地域は、地方圏における基盤技術に関連する企業の集積地である。明治期の製糸機械、第二次大戦中の疎開工場からの技術伝播、戦後の時計、カメラなど、精密機械工業の隆盛により、精密加工に関連する基盤技術が培われ、工業集積地が形成された。
  • 1980年代からのプラザ合意、海外への生産移管により、地域の精密機械工業は急激、かつ大幅に縮小した。地元中小企業は、地域内大手企業への依存度低下を余儀なくされ、広域からの受注、海外展開などにより、対応を図った。精密機械工業縮小の影響は大きく、往時に比べた工業集積の規模の縮小は否めないが、電気機械、金属製品、輸送用機械器具等へと業種転換、あるいは業種の多角化を図っている。
  • 地域内で発展を遂げている企業の事例では、培った加工技術の高精度化、微細化、あるいは地域周辺の加工技術の活用等により、広域からの受注、自社製品の開発・生産を進めている。海外展開を行っている企業も、諏訪地域を拠点として、国内の高度なニーズや新たな成長分野に対応していくことが、国内外を含めた企業全体の発展に重要と考えている。
  • 諏訪地域では、自主的、あるいは公的支援機関が関与するグループ活動、研究会などが活発である。企業は、自助努力に加え、これらの活動への参加を通じた学習により、技術向上、技術開発に取り組んでいる。このほか、地域内中小企業と地域外のニーズをつなぐ仕組みづくりに取り組む動きもあり、注目される。
  • このような企業間の「水平的ネットワーク」活動は、岡谷市を中心に活発に行われている。岡谷市は、展示会への出展やネットワークづくりの支援など工業振興に積極的に取り組んでおり、長野県工業技術総合支援センターも、精密・微細加工技術の向上や開発、研究会活動の支援を行うなど、公的機関による支援が熱心に行われている。
  • 諏訪地域の経済活性化のためには、広域的なニーズ・技術情報などの収集と、地域内企業間、企業・大学・支援機関との間のネットワークの濃密化が重要である。地域内の企業・組織・機関が、研究会活動や、共同研究など実践的な交流、学習の場を通して連携を深め、広域受注企業、大学・支援機関などが保有する情報を地域内に流通させることが、中小企業の技術の高度化・先端化、受注機会増加を実現し、地域経済を活性化することとなろう。

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