文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
  • ホーム
  • 調査研究論文
  • 表彰
  • 刊行物
  • 講演・寄稿
  • 財団の概要
調査研究論文
  1. ホーム
  2. 調査研究論文
  3. 中小企業の産業構造に関する調査研究
  4. 調査研究論文の要旨

調査研究論文の要旨

全文をご覧になりたい方はこちら(PDF)

「地域中小企業の現状と課題」

  • わが国経済は、2002年2月以降、輸出主導で景気が回復し、拡大期間は戦後最長を記録している。ただ、その一方で、様々な格差の拡大が指摘されている。企業関連では、正・非正社員間の所得格差や大・中小企業間の収益力格差が拡大し、企業倒産件数も増加に転じている。
  • このようななかで、首都圏や中部とその他地域との経済格差も注目されている。このまま格差拡大を放置すると、少子・高齢に悩む地域経済は内需不振からますます衰退し、やがて社会そのものが荒廃する恐れも出てきている。本稿は、このような問題認識に立ち、地域経済やそれを担う中小企業の現状と課題について整理・分析してみたものである。
  • まず、第I章では、わが国全体の人口動向や経済の現状等を分析した。この結果、人口や労働生産性の停滞から、需給両面で経済成長率の低迷を余儀なくされている。また、今後、人口減少時代が続くなかで、新製品・サービスの開発や組織の活性化など経営革新で労働生産性を改善し、就業者の所得を増やさない限り、家計部門の不振は避け難く、経済成長率は低迷を続けることになろう。
  • 次に、第II章では、地域経済について分析した。東京では、非製造業を中心に労働生産性が上昇し活力に満ちているが、その背景には首都機能などを背景とした人口の一極集中が存在し、他地域の活性化の参考とはならない。 各地域は、今後、公共事業などの政策支援が難しいことから、自助努力で人口を少しでも増やす工夫が必要である。加えて、個人消費などの内需不振を補うため、移出(輸出)を拡大して域外需要を取り込むことが望まれる。
  • 第III章では、地域中小企業の現状を分析したが、極めて厳しい。 中小製造業の労働生産性は大企業と比べて上昇力が弱く、その改善が最も重要な経営課題といえよう。また、中小製造業のなかでも、首都圏など大都市圏と他地域の生産性には格差がみられる。加えて、中小商業は、人口停滞や「デフレ」の直撃から壊滅的な状況に置かれ、問題が山積している。
  • 最後に、第IV章では、これまでの分析を整理し、中小企業の具体的な対応策を探った。成功事例をみると多種多様であるが、人口減少の大きい地域は、基本的にパーヘッド拡大に多くは望み難く、高付加価値化を狙った経営戦略が重要であろう。現状、製造業の付加価値率改善は頭打ちで、隙間市場開拓や新製品開発など、一層の努力が必要である。また、非製造業は、隙間市場開拓や製販一体化、商品のブランド化、新サービスの開発など、知恵を絞った対応が不可欠である。

調査研究論文