文字サイズ
  • 小
  • 中
  • 大
  • ホーム
  • 調査研究論文
  • 表彰
  • 刊行物
  • 講演・寄稿
  • 財団の概要
調査研究論文
  1. ホーム
  2. 調査研究論文
  3. 中小企業の産業構造に関する調査研究
  4. 調査研究論文の要旨

調査研究論文の要旨

全文をご覧になりたい方はこちら(PDF)

「地域振興における中小企業の役割」~日 欧 の 現 状 と 課 題~

  • 我が国中小企業は地域経済の主要な担い手として、バブル崩壊後の景気低迷期をも何とか凌いできたが、産業の空洞化、中心市街地の衰退、地域社会の高齢化など地域の衰退に加え、近時の米国を震源地とする世界的な金融危機の影響によって厳しい局面に立たされ、経営の先行きに多大な懸念が生じている。
    こうした我が国経済の閉塞感を打破するために、中小企業が重要な役割を担う地域経済の活性化が大きな政策課題となっている。
  • EUでは、単なる地域経済の活性化、地域産業の振興といった経済的な視点のみからでなく、社会的経済的観点から地域政策を推進する中で、近年ますます中小企業の役割を評価する局面が増加し、中小企業を地域政策の中心に据えた方針が顕著になっている。
    そこで、日欧において、中小企業が地域経済にどの様に組み込まれ、地域政策の中で、どの様に位置付けられているのかを比較検討する。
  • 我が国の地域政策は所管官庁ごとに縦割りで執行され、建設省(現在国土交通省に統合)の全国総合開発計画(全総)と、通産省(現経済産業省)の地域産業政策が担ってきた。しかし、一定の成果は挙げたものの、東京への一極集中、過疎地域の増加、地方都市における中心市街地空洞化、国土全体の景観の混乱等の問題は依然解決されていない。このため近年、中小企業に対しては、農商工連携の促進や地域資源の活用等の施策が進行中である。
  • EUでは、「地域間格差の縮小」を目指す地域政策が統合を推進する手段と認識され、2008年6月に「中小企業最優先」原則を謳うSBA(中小企業法)が採択されるなど地域経済の中核を占める中小企業の振興に注力している。
  • 日欧の地域政策の違いは、理念すなわち政策視点の相違に帰着する。EUの視点は、 住んでいる場所が何処であれ、 域内市民に平等のサービスを提供することがEUの基本的価値であるとの観念(思想)に基づく。すなわち、域内の地域(地方)が経済的に発展し、地域格差が縮小されることは、経済的社会的「結束」を強めるのに役立ち、欧州連合の建設に資するとの考え方である。
  • 我が国の施策には、EUほどの政策理念と目的が明確に意識されている訳ではない。近年の地域経済の再生・活性化方策の内容は、当該施策を採ることがどれほどの地域住民への効果・恩恵があるのかが意識されているようには見えず、また中小企業を意識した言及が少ないのが現状である。
  • 地域の中小企業が他に負けない「強み」(独自性)を有し、当局の果断な取組みが実現すれば、地方経済の主力を担う我が国中小企業は、以前にも増して地域経済振興の駆動力となろう。

調査研究論文