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調査研究論文の要旨

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中小製造業の人材戦略

  • 急速な景気後退に伴って中小企業においても雇用過剰感が強まっているが、人材は重要な経営資源であり、長期的な視点に立った人材の確保・育成の努力が求められる。また、足元の経済情勢を離れた中長期のスパンでみれば、中小企業は大企業に比べて、新卒社員の採用が難しく、正社員の定着率も低いといった傾向があり、景気後退はむしろ人材確保のチャンスであるともいえよう。さらに、少子高齢化の進展に伴う生産年齢人口の大幅な減少も予想されており、限られた人材をいかにして確保し、育成・活用していくかは、中小企業にとって今後一層重要な課題となってくると思われる。
  • 中小製造業において強い競争力を維持している企業は独自の分野、マーケットを選択し、専門性を高めることによって競争力を発揮している企業であることが多い。各企業の業種、業態、製品、加工内容等は多様であり、蓄積されている技術、技能、ノウハウも独自のものであり、長期的な視点に立った人材育成が必要となる。
  • 採用については、新卒採用が難しい面もあり、中途採用が中心となっている企業もあるが、そうした企業でも未経験者を社内で育成することを主体にしている場合が多い。一方、定期的に大学新卒者を採用している事例も少なくない。最近ではインターンシップや産学連携を通じて製造現場を体験した上で応募してくる大学生も増えてきている。
  • 実際の業務、技能の習得はOJTが中心となるが、 事例先では手順を踏んで教え、段階的に難しい仕事にチャレンジさせる等の工夫をしたり、キャリアシート等に基づいて個人の職務能力、技能レベルを把握し、目標設定を行って育成している。 また、ものづくりに関わる人材の育成には継続による習熟が必要であるという認識に基づいて、長期的な視点で人材育成が行われている事例が多くみられる。
  • 職務能力・技能の評価、目標設定についても、個人の努力を促し、成長を認めるというサイクルを通じて、着実な成長を目指すことが重視されている。また、技能検定等の資格取得を奨励することで、自社の技術水準をアピールするとともに、目標を与えて個人の成長を促している事例も多い。
  • 団塊世代の退職が進む中、熟練技能の若い世代への継承も重要な課題となっているが、OJTを通じて熟練の技能やノウハウの承継に努めると同時に、身体で覚え、勘、コツによって習得するだけでなく、技能のデータ化、「見える化」等にも力を入れている事例もみられる。
  • 少子化に伴う構造的な人手不足も予想される中、高齢者および女性労働力の有効活用が求められている。高齢者については定年延長、雇用継続等の取り組みが進んでいる先が多い。女性労働力についてはパートタイマーの活用・戦力化に成功している事例も紹介している。

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