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調査研究論文の要旨

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“顔”の見える中小企業金融

  • 本稿では、最近“顔”が見えにくくなっていると言われる中小企業金融において、まずその系譜と底流を探り、原因追求を図る。そしてそうした準備の下、最終的に、再び“顔”が見えるようにするための方途を論じることとしている。
  • 中小企業金融において“顔”が見えなくなるまでの系譜をトレースすることとして、まず経済学・経営学に係る基本的思想(理論)の変遷を眺め、それらのイデオロギー性に着目する。ここでは、そうしたある種の(経済)イデオロギーの下に実際の経営が強く影響を受け、またその伝道においてMBAの役割も大きいことなどが指摘される。
  • 第1節で議論した“系譜”を縦糸とする中で、横糸としての“底流”を論じる。底流というのは思想(理論)形成における土壌というほどの意味合いである。ここでは、基本的思想(経済理論)の形成に大きな影響を及ぼすと考えられる「民族性」「階級」「異文化交流」について俎上に乗せることとする。
  • 第1節、第2節の議論を踏まえて、“顔”が見えなくなるに至る前駆症状について論じる。ここでは、1930年代の大恐慌と昨2008年来の世界金融危機を比較対照する中で、投資銀行、金融工学、セキュリタイゼーションの役割を究明している。80年の時を経てなお、大恐慌と世界金融危機の間には連綿と引き継がれるものがあるということだ。
  • 本節からが本論である。“顔”が見えなくなってしまったことの直接的な要因を追求することとして、ここでは、主として情報の非対称性の議論から派生する諸問題を整理することとした。近年、情報の経済学が分析ツールとして急速に市民権を得る中で、中小企業金融の困難性についても一見合理的に説明されるようになったと言われる。しかしながら、これをわが国の中小企業金融に単純に適用する場合には、“顔”の見えなくなる傾向が加速されるということでもある。
  • 最終節として中小企業金融において、再び“顔”をよく見えるようにするための方策を検討し、そしてとりわけその理論的背景を導き出すために、比較制度分析の成果を中心に議論した。その成果としては資本主義と一括りにされる中でも、国を跨いでしまえば多様なバリェーションが生じて不思議でないことなどが示される。
  • 近年、グローバルスタンダード一色に世界経済が染め上げられる中で、種々の問題が噴出した。そうした問題解決のためには、例えば比較制度分析が教える“経路依存性”の考え方などに特に耳を傾けるべき点が多いということである。

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