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調査研究論文の要旨

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中小卸小売業の現状と課題

  • 本調査研究は商業統計調査を中心とするデータの分析を通じて、中小卸小売業の実態把握を試みたものである。
  • 卸小売業は国内総生産の13.5%(2008年)を占め、サービス業、製造業に次ぐ産業であるが、商業統計調査によれば、その事業所数、従業者数は卸売業、小売業ともに減少傾向が続いている。販売額についても、卸売業は1991年、小売業では1997年をピークとして減少に転じ、2007年調査では卸売、小売とも増加したものの、最近の動きを商業動態統計調査からみると、2009年の販売額は再び前年比減少となっている。
  • 卸小売業全体に占める中小卸小売業の地位についてみると、事業所数では卸売業は99.2%、小売業は98.6%を中小企業が占めているが、年間販売額シェアでは卸売業63.9%、小売業70.9%であり、中小企業のシェアは低下ないし横ばい傾向が続いている
  • 卸売業については、消費の低迷、流通経路の中抜き・短縮化の進展等、事業環境は厳しい状況が続いており、事業所数の減少が続いている。 販売額についても2007年商業統計では増加がみられたものの、ピーク時の7割程度にとどまっており、商業動態統計による最近の売上は大幅な減少となっている。事業の効率性については業種による差が大きく、着実に向上している業種もみられる半面、一部の業種の事業効率は低い水準に止まっている。
  • 小売業においても消費者の購買力の低下、需要の変化により、販売額は中長期的に低下傾向にあり、店舗数も減少が続いている。 一方、業態間の競争激化による小規模店舗の減少、店舗の大型化から売場面積は拡大傾向にあるため、売場面積当たりの販売額は減少しており、事業の効率性はむしろ低下しているといえよう。
  • モータリゼーションの進展に伴って、郊外やロードサイドに立地する大型店舗が売上を伸ばす一方、商店街等の従来型の商業集積地区に立地する店舗の売上は総じて減少傾向となっている。業態別では、ドラッグストア、コンビニエンスストア、専門スーパーといった新たな業態の売上は増加しているものの、百貨店、総合スーパー、一般店(専門店、中心店)の売上は減少している。
  • 中小卸売業が流通経路の短縮の圧力にさらされる中で生き残るためには、効率的な商品供給、品揃えの充実、小売店に対する提案力、情報提供力の強化等によるメーカー、小売業に対するサポート機能の高度化が必要となろう。 また、中小小売業では、単なる価格競争を避けて、顧客のニーズに対応したサービスの提供、品質の見える化等を通じて、顧客満足度の向上と高付加価値化により収益力を高めていくことが求められよう。

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