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調査研究論文の要旨

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中小企業の収益力と生産性の動向

  • 本研究は、中小企業の収益力と生産性の動向について分析したものである。わが国では少子高齢化・人口減少が着実に進みつつある。人口が減少する社会で経済成長を持続させるためには、労働生産性の向上が不可欠である。さらに、生産に従事する生産年齢人口の減少は既に1990年代から始まっている。生産年齢人口の減少も考慮すると、人口減少のペース以上に労働生産性を向上させていく必要がある。
  • わが国の産業が生み出している付加価値のうち、中小企業が半分強を占める。わが国が生み出す付加価値を増やしていけるかどうかは中小企業の動向にかかっている。その一方、中小企業には赤字企業が多く、収益力は脆弱である。収益力を売上高経常利益率でみると、バブル崩壊後低迷が続いており、大企業との格差も大きい。さらに、わが国では長期にわたり金融緩和の状況が続いており、中小企業の収益力はこの間の超低金利に下支えされてきている。利払い前の売上高経常利益率はまだ過去の収益力の水準に戻っていない。
  • 中小企業の収益力の基盤となり、経済成長の源泉でもある労働生産性についてみると、中小企業の労働生産性は大企業の半分とその格差は大きく、また1990年代以降低迷している。
  • 労働生産性を分解して、売上高や総資産との関係をみてみると、まず売上高との関係では、中小企業は大企業と比較して付加価値率が高く、上昇傾向にあるが、一方で一人当たり売上高は大きく劣っており、労働生産性の規模間格差には後者が大きく影響している。総資産との関係では、中小企業は資本生産性が高いが、資本装備率が劣っており、資本装備率の上昇が中小企業にとっての大きな課題である。
  • 労働生産性は、全要素生産性の上昇と資本装備率の上昇により高めることができる。全要素生産性を規模別に試算してみると、大企業がほぼ一貫して上昇のトレンドにあるのに対し、中小企業は1990年代から上昇傾向が止まり、大企業との格差が目立ってきている。中小企業においては、全要素生産性、資本装備率ともに大企業に劣後している。中小企業は様々な手段を駆使し、全要素生産性と資本装備率の向上を図っていくことが重要である。

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