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調査研究論文の要旨

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老舗企業の研究

  • 日本には創業から100年以上を経過して事業を継続している老舗企業が2万社以上存在しており、諸外国と比べても高い水準となっている。また、こうした老舗企業の9割以上は中小企業で占められている。
  • 創業者一族によって所有や経営が行われている「ファミリービジネス」は業績面でも一般企業より優れているという調査結果が出ており、近年、欧米ではファミリービジネスの経営手法への関心が急速に高まっている。日本でも企業数の約95%、雇用の70%以上をファミリービジネスが占めているといわれる。
  • ファミリービジネスには老舗企業も多い。創業の精神を大切にし、次の世代へ事業を継承していくことが重視され、短期の業績にとらわれず、中長期的な業績の拡大、持続的な成長が追求されている。老舗企業の特徴の多くはファミリービジネスの持つ特性に由来しており、老舗企業はファミリー企業という側面を持っている。
  • ファミリービジネスには事業承継における後継者選び、ファミリー内の紛争、縁故主義による人事の不平等、ガバナンスの欠如、企業の私物化、公私混同といった課題、リスクも同時に存在しているが、長い業歴を持つ老舗企業はこうした課題を克服し、ファミリービジネスの長所を十分に発揮し、プラス面を採り入れている。
  • 事例の老舗企業はいずれも本業にこだわり、長期にわたって事業を継続している。また、長期的視点に立って、健全経営、人材の育成、新製品開発、新市場の開拓等に努めている。また、短期的な利益、売上の拡大に捉われることなく、量より質を重視し、自社のブランドを大切に育てていく方針を採っている。
  • 老舗企業には堅実経営、社会貢献、顧客や社員との信頼を重視とする経営理念を持ち、その共有と継承に力を入れている企業が多い。経営理念は必ずしも家訓、社是として文書の形で残されてはいないが、親から子への口伝、日々の生活、行動を通じて着実に理念の継承が行われている。
  • 顧客、取引先、従業員との長期的関係、信頼関係を重視し、中でも従業員との信頼関係構築、人材の育成に力を入れている企業が多い。人材の登用と権限移譲によって従業員のモチベーションを高め、同族経営が陥りがちな人事上の不公平、ファミリーによるポスト独占を防いでいる事例もある。
  • 後継者の育成に関しては、祖父、祖母等からの教えや先代経営者(親)の事業に対する姿勢に触れて育つ中で自然に後継者としての意識を持ったという事例が多い。
  • 事業を長期にわたって継続していくには、絶えざる環境変化への対応と改革、革新の取り組みが必要である。老舗企業は本業にこだわり、伝統の技術を守る一方で、先見性を持ち、変化する市場、顧客ニーズへの積極的な適応と革新を行うことで事業の存続と拡大を図っている。

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