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調査研究論文
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調査研究論文の要旨

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組織化の現状と新たな展開

  • 本稿では、はじめに組織化及び協同組合の概念を整理し、中小企業組合制度の目的、基準・原則を再確認する。次に中小企業組合の動向及び新たな組織化制度について調査・分析を行う。そして最後に事例を交えて組織化の多様な取り組みの実態を分析し、今日における組織化の意義と新たな展開について考察を試みたい。
  • 中小企業の組織化を、「複数の中小企業者が、特定の目的のために力を合わせる自主的な体系」と定義すると、その主目標は、①規模の利益の実現、②経営資源の乏しさの補完、③業界等一定の集団全体の改善発展を図る、などに整理できる。
  • 協同組合の本質についてこれまでの見解を要約すると、①精神的要素・人的要素を重視する立場をとるもの、②経済的要素を重視する立場をとるもの、③その折衷説の3つに整理することができるが、ニュアンスの差はあっても共通の要素をもつ。
  • 中小企業政策上組織化に期待される役割については、その重心が「格差是正」から「経営資源の相互補完」に移り、かつては組織化政策の中心に据えられていた中小企業組合は、多様な連携体のなかの一形態として位置付けられることとなった。
  • 組織化の中核組織である中小企業組合制度は、中小企業等協同組合法、中小企業団体の組織に関する法律、商店街振興組合法などを根拠法としている。主軸となる中小企業等協同組合法についてみると、①相互扶助、②加入・脱退の自由、③議決権・選挙権の平等、④利用分量配当の原則・出資配当の制限、以上4つの要件を定めている。
  • 中小企業組合の動向についてみると、過去30年に亘って組合数の減少傾向が続いており、活動も活発とはいえない状況にある。一方、新たな連携組織であるLLPは制度創設以来毎年着実に増加してきている。また、新連携制度、農商工等連携制度などを活用した任意グループの様々な取り組みも拡がってきている。このように中小企業の組織化の形態は多様化が進み、その取り組み内容も多岐に亘っている。そしてこのところ経済的要素を重視する新たなタイプの組織化に注目が集まっている。
  • しかしながら、組織化の中心理念である協同組合精神の重要性や、相互扶助の精神を堅持する中小企業組合が果たす役割は今日においても過小評価されるべきではない。
  • 中小企業組合は、協同組合精神を行動原理の柱に据えつつ、自助のための組織として組合員の直面する課題に自主的に取り組むことで、今日においても組合員の期待に応えることが可能である。一方、経済的要素重視型の新たな組織化形態であっても、精神的要素・人的要素を蔑にしては成果を挙げることができない。すなわちどのような組織化であれ、その目標を達成するためには、協同組合精神を見失ってはならない。
  • 組織化は、単独では力の弱い中小企業者がその弱点を補完・補強するための相互扶助の体系・手段であり、中小企業組合は、今日においても様々な可能性を持った組織である。また、中小企業組合以外にも、組織化の選択肢は拡がってきている。
  • 中小企業が組織化の意義とその効用を再確認し、相互扶助精神を尊重しつつ自主的に組織に関与していくことで、組織化制度が有効に活用されることを期待したい。

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