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調査研究論文の要旨

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人手不足と中小企業の非正規雇用

  • 雇用形態別の労働投入量を延べ就業時間ベースでみると、正規雇用と非正規雇用の労働投入割合はおおむね7:3で、企業規模による大きな差異はない。自営業者、家族従業員、役員を正規雇用とみると、大企業の方が非正規雇用の割合が高いと考えられる。
  • 非正規労働の投入形態は企業規模により異なる。中小企業ではパート・アルバイトへの依存度が高いが、大企業ではパート・アルバイト以外にも契約社員、派遣社員など選択に幅がみられる。中小企業では定型業務の基幹化と採用のしやすさが意識され、大企業は目的に応じた雇用形態の使い分けが意識されたと考えられる。
  • 職種別の労働投入量をみると、中小企業ほど生産工程など現業部門の比重が大きく、大企業ほど専門職と間接部門の比重が大きい。職種と雇用形態の関係をみると、専門職は正規雇用の割合が高く、非正規雇用への展開は一般的に難しいとみられる。一方、販売職やサービス職では非正規雇用の割合が高い。
  • 産業別に職種別の労働投入量をみると、製造業では企業規模が大きいほど専門職、事務職の投入割合が高い一方、規模が小さいほど生産工程に労働投入が集中する。非製造業では企業規模が大きいほど事務職、販売職の投入割合が高く、小さいほどサービス職の投入割合が高まる。
  • 中小企業は非正規雇用の基幹化を大企業に先行して行ってきたが、定常的に発生する繁忙状態の補完の域を出るものではなかった。現在では、非正規雇用形態の多様化という面で大企業に遅れをとっている。
  • 人手不足と、労働投入面での専門職化・サービス職化とが並行して進む現状では、中小企業にとって、多様な働き方を希望する非正規雇用者の活躍の場を広げることがサービス職化への有力な対応策となりえる。専門職化に対しては契約社員の採用拡大が有効だろう。

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