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参加企業に見るクラスターの実情-福岡先端システムLSI開発クラスターを範として-
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- 本稿は拙稿『知的クラスターについての考察』の続編と位置づけ、とりわけ「福岡先端システムLSI開発クラスター」を深堀りすることを通じて、クラスター一般の問題点を探ることを目的とする。
- 第1節では「福岡先端システムLSI開発クラスター」に関して、そのマザープランである「シリコンシーベルト福岡プロジェクト」構想、 及びそのプラットフォームである(財)福岡県産業・科学技術振興財団と同財団の実働部隊である「福岡システムLSI総合開発センター」についてそれぞれ説明するなかで、全体的な理解を促すこととする。
- 第2節では本稿の説明の都合上、LSIの基礎について説明する。このなかではLSIとシステムLSIに関する理解を前提とする一方で、ICの設計工程、製造工程、そしてテスト工程についての説明を図る。
- 第3節では、「福岡システムLSI総合開発センター」内インキュベーション施設入居企業を対象に実施したヒアリング結果をもとに、同センターの意義を探ることとする。まず事業内容、それぞれの歩み、今後の方向性などを中心に対象企業の概況を示す。そして次にこうした概況と個々のヒアリング結果を踏まえて、同センターが発信する意義について確認作業を行う。
- 第4節はまとめとしてわが国クラスターの課題について追求する。 本稿は、「福岡システムLSI総合開発センター」 入居企業に対するヒアリング結果に重きをおいて取り纏めている。 しかし最終段階では「福岡先端システムLSI開発クラスター」のみならず、 わが国におけるクラスター全般に対する課題の探求を試みることとしている。