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中小機械・金属工業の構造変化に関する実態調査
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1. 分業構造の現状と変化
- 主力納入先との関係が以前ほど強固ではなくなりつつある。
- 一方、受注単価の引き下げ要請は強まっている。
- 主力納入先の発注面の変化をみると、品質・納期に対する要求は低下したものの依然として高い。加えて小ロットの傾向が高まった。一方で、これまでの取引実績が考慮されなくなったと感じる比率が強まっている。
- 主力納入先の海外生産の拡大は当該中小企業にとって受注面で悪影響を受けた企業が過半数を占める一方、好影響を受けた企業も1割強存在する。
- 主力納入先の「外注先・調達先の絞込み」、「部品の共通化、部品点数の削減」によって好影響を受けた企業もある。「ネット調達の推進」は、好影響を受けた企業の比率が悪影響を受けた企業の比率を大きく上回っている。
2. 中小機械・金属工業の戦略的対応
① 中小企業のグローバル化
- 海外生産国は中国が約7割。タイは大きく増加。今後は、「チャイナ+1」に対する意欲も窺われる。
- 生産拠点の機能をみると、「低コスト生産のメリット」の比率は高いものの、今後は低下する見込み。一方で、「海外市場への製品供給」や「量産の拠点」といった機能は上昇する。
- 部品等の中間財の調達は、現地化が進む。
- 海外生産を行っている企業は自社の発展を見込む一方で、海外生産の予定がない企業では発展を厳しいと認識。特に、自動車部品製造業で顕著。
② 技術・製品面での特色と開発の体制
- 技術・製品面での特色(強み)は、「短納期、多品種少量生産のための技術力・生産管理力」が最も高くなっているが、今後は「コストダウンのための技術力・生産管理力」の強化を課題としている。
- 技術開発、新製品開発の体制は、今後は公設機関、大学・研究所等、外部との連携を志向。
③ 新事業分野への進出
- 環境、医療・福祉関連が増加の一方、自動車、情報通信機器関連は後退。
④ 今後の経営戦略