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調査研究論文の要旨

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中小卸小売業の現状

  • 卸小売業は名目国内総生産の14.2%(2014年)を占め、サービス業(構成比19.8%)、製造業(同18.7%)に次ぐ主要な産業であり、商業統計調査によれば2014年7月1日現在の卸小売業の事業所数は140万7,235事業所、従業者数は1,161万8,054人、年間商品販売額は478兆8,284億円となっている。
  • 商業動態統計調査から卸小売業の販売額の推移をみてみると、卸売業の販売額は2009年にリーマンショック発生後の事業所向け需要、輸出の大幅な減少の影響を受けて大きく低下し、その後も低迷が続いている。小売業についても、長期的な消費の低迷を受けて、その販売額は概ね横這いで推移している。
  • 商業活動に占める中小企業の地位をみると、卸売業においては事業所数で99.2%、従業者数で79.2%、年間商品販売額で62.1%のシェアを占めており、小売業においても事業所数で98.2%、従業者数で76.0%、年間商品販売額で70.2%となっている。
  • 卸売業の販売額はリーマンショック発生後の2009年に大きく低下した後も低迷が続いており、事業所数も減少傾向にある。
  • 小売業の販売額が横這いで推移する中で卸売業の販売額は減少傾向が続いており、流通経路の短縮化が進んでいるが、1990年代の流通経路の短縮化は卸売業内部での多段階取引の縮小、再編が中心であったのに対し、2000年以降は小売業者による生産者からの直接取引の拡大の影響が大きくなっている。
  • 個人消費の伸び悩みを背景に小売業の売上高は横這い基調で推移しており、事業所(店舗)数も減少傾向にあるが、特に従業者4人以下の小規模店において店舗数、年間商品販売額の減少が大きい。
  • 小売業の業態別にみるとドラッグストア以外の業態では年間商品販売額が減少しており、百貨店、スーパーの減少幅が大きくなっている。
  • 商品販売形態別では店頭販売が84.5%を占めているが、これ以外では訪問販売が減少し、通信・カタログ販売、インターネット販売が増加している。
  • 小売業における事業の効率性については、従業者1名当たりの年間商品販売額は増加しているが、売り場面積1m²当たりの年間商品販売額は低下している。
  • 立地環境特性別に年間商品販売額の増減をみると、既存の商業集積に含まれない都市部や近郊において売上が増加している。

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