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調査研究論文の要旨

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高齢・長寿化社会と中小企業の高齢者雇用

  • 本研究は、中小企業における高齢者雇用の動向や活用の課題等について分析したものである。わが国は高齢・長寿化社会を迎え、少子化や高齢化が進展し人手不足・人材不足が叫ばれている。一方で中小企業は、高齢者雇用において大きな役割を果たしてきたといわれており、わが国が少子化・人口減少を迎えた中で、その役割はより重要となるものと思われる。
  • 本論では「就業構造基本調査」などにより、高齢・長寿化社会の実態や、規模別の高齢者雇用の動向を探り、中小企業における高齢者雇用の活用等について分析した。
  • 中小企業の雇用者について大企業と比較すると、中小企業では高齢者の比率が高い。総じてみれば、中小企業、大企業ともに雇用者の高齢化が進んでいるものの、その度合いは中小企業の方が大きい。逆にいえば、人手不足に直面している中小企業にとっては、高齢雇用者は貴重な戦力となっているものと思われる。
  • また、中小企業の高齢者雇用は、制度面でも大企業に先行している。中小企業は若年層の減少を高齢者や女性の雇用により補おうとしてきたように思われる。大企業は若年層の減少が小幅なため、中小企業ほどには高齢者を増やしていない。
  • 雇用形態についてみると、2012年まで進行してきた非正規化は、ここで一服状態となった。高齢者については、60歳以上の高齢雇用者は50代以下の層と比べて正規雇用が少なく、特に女性でその傾向が顕著である。ただ中小企業は、大企業と比較すると高齢者の正規雇用比率が男性、女性ともに高い。また女性については、中小企業の方が大企業よりも正規雇用に登用している様子がうかがわれる。
  • わが国は高齢・長寿化社会を迎えたが、その中で高齢雇用者はこれまで長年にわたって経験と能力を蓄積してきた。中小企業は、これまでの高齢者活用で得た知識やノウハウを活かしていくとともに、高齢者の経験、能力などの適切な評価や勤務形態の多様化など雇用環境の整備を図っていくことが求められよう。

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