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調査研究論文
中小企業の組織化に関する調査研究
調査研究論文の要旨
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組合実態調査報告書
5年前と比べた組合員数の増減をみると、「減少した」が53.4%に達しており、「増加した」は13.4%にとどまっている。
主要財源(第1位)をみると、「賦課金・会費」(41.2%)、「共同事業収入(金融事業収入、賃貸料を除く)」(34.2%)が大きな柱となっている。
直近の決算状況(利用分量配当前)をみると、「黒字」組合が65.1%、「赤字」は16.0%とな っており、収支状況については総じて大きな問題はない。
現在実施している事業をみると、「組合員、従業員の福利厚生」(41.2%)、「共同仕入・購入」(38.7%)、「組合施設(駐車場、会議室等)の賃貸」(29.3%)、「教育訓練・人材開発」(23.5%)、「保険代理業務」(22.5%)等が上位に挙げられている。
最近5年間に新規に開始した事業をみると、「共同仕入・購入」(12.2%)、「組合員、従業員の福利厚生」(11.0%)、「教育訓練・人材開発」(9.6%)、「外国人技能実習生受入」(9.6%)、「共同受注」(9.3%)等が上位に挙げられている。
特に重要と考えている事業をみると、「共同仕入・購入」(23.9%)、「教育訓練・人材開発」(16.6 %)、「組合員、従業員の福利厚生」(15.8%)、「組合施設(駐車場、会議室等)の賃貸」(15.0 %)、「共同販売」(13.4%)等が上位に挙げられている。
今後新規に取り組みたい事業をみると、「教育訓練・人材開発」(16.4%)、「外国人技能実習生受入」(16.2%)、「異業種交流、企業連携、産学官連携」(15.0%)、「共同求人」(12.1%)、「市場調査・販路開拓」(10.8%)等が上位に挙げられている。
最近5年間に縮小・廃止した事業をみると、「資金の貸付、手形割引」(33.0%)、「共同仕入・購入」(14.0%)、「保険代理業務」(10.7%)、「債務保証」(8.8%)、「資金借入の斡旋」(8.2%)等が上位に挙げられている。
事業推進上の問題点をみると、「共同事業の利用が一部の組合員に偏っている」(31.7%)、「共同事業の利用率の低下」(26.4%)、「魅力ある共同事業が見つからない」(22.2%)、「問題は特にない」(19.0%)等が上位に挙げられている。
問題点への対策をみると、「定期的に会合を持ち、組合員間の意思疎通を図る」(31.7%)、「特別な対策はない」(31.2%)、「組合員数の増加を図る」(17.9%)、「委員会等を設置して、魅力ある共同事業とは何かを検討する」(14.4%)等が上位に挙げられている。
最近の組合活動の状況についてみると、「活発である」(8.9%)、「まずまず活発である」(50.8 %)、「あまり活発ではない」(28.6%)、「活発ではない」(11.7%)となっている。なお活動状況と組合員数の増減の関係についてみると、活動が活発な組合ほど組合員数が「増加した」を選択した比率が高い。
組合員に起因する最大の課題、問題点をみると、「組合員の減少」(23.5%)、「課題、問題点は特にない」(22.9%)、「組合員の参加意識の不足」(20.5%)等が上位に挙げられている。なお活動状況と課題、問題点との関係についてみると、活動が不活発な組合ほど「組合員の減少」を選択した比率が高い。
組合運営の今後の方向性をみると「、現状維持できるように努める」が62.8%「、組合員の増加、組合事業の拡大を進める」が25.6%を占めている。なお活動状況と今後の方向性についてみると、活動が活発な組合ほど、「組合員の増加、組合事業の拡大を進める」を選択した比率が高い。
現在実施している組合員支援内容をみると、「組合員相互の交流連携活動」(65.4%)、「組合活動に資する補助金の取得、情報の収集」(32.6%)、「人材育成・強化」(31.5%)、「人手不足対応」(21.1%)等が上位に挙げられている。なおSDGs関連の取り組みを支援している組合は37.0%を占めている。
今後求められる組合員支援については、「人手不足対応」(36.1%)、「事業承継支援」(29.0%)、「人材育成・強化」(26.9%)、「組合の経営力、事務局のマネジメント力の強化」(23.7%)、「働き方改革の推進(含、女性・高齢者の活躍促進)」(22.8%)、「防災、BCP」(21.7%)、「IT(情報技術)化、AI活用支援」(20.5%)等が上位に挙げられている。なおSDGs関連の取組支援が求められるとみている組合は38.5%を占める。
今後組合員支援を実施する際の最大の問題点をみると、「組合事務局に専門性の高い支援人材がいない」(26.9%)、「特にない」(26.6%)、「組合財政が苦しく予算制約から思うように支援できない」(20.1%)等が上位に挙げられている。
組合が重視しているテーマ(第1位)をみると、「組合員相互の交流連携活動」(26.8%)、「人手不足対応」(16.0%)、「人材育成・強化」(8.0%)等が上位に挙げられている。
シェアリングエコノミーの実施割合は8.2%にとどまっている。ただ、組合の保有する有形・無形の資産を組合員共有の経営資源として活用しているケースを広義のシェアリングエコノミーとみれば、組合事業そのものがこれに該当するともいえる。
SDGsについても実施割合は5.4%と数字上は低いが、中小企業組合は普段意識することなく、当該精神に準拠した取り組みを行っているケースが少なくない。
事業協同組合の直近の決算状況(利用分量配当前)については、過去2回の調査結果と比較すると「黒字」比率が増加傾向にある。
事業協同組合が最近5年間に開始した事業をみると、前回14位だった「外国人技能実習生受入」が4.6%から9.5%と大幅に上昇し、今回5位にランクされている。今後新規に取り組みたい事業をみると、前回23位であった「外国人技能実習生受入」が2.5%から16.3%に急上昇し、今回1位となっている。また、前回14位であった「共同求人」も6.6%から12.5%と大幅に上昇し4位となっている。さらに最近5年間に縮小・廃止した事業をみると、前回同様「資金の貸付、手形割引」が第1位で、その比率は32.0%から33.5%に上昇している。
事業協同組合の活動状況をみると、過去2回はやや不活発であったが、今回はどちらかといえば活発な状況にある。
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