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調査研究論文の要旨

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中小企業の従業員待遇と就業環境

  • 従業員待遇について勤務時間をみると、週休制度は男女共通して中小企業で週休2日制の定着が遅れている。週労働時間は残業等もあって大企業で長い。賃金水準は正規雇用では男女とも企業規模が小さいほど賃金水準が低いが、非正規雇用は小規模企業を除きほぼ同水準である。
  • 就業環境について福利厚生面(育児休業制度・介護休業制度)をみると、企業規模が小さいほど制度の整備と周知が遅れている。仕事の習熟に要する期間は企業規模が大きいほど長く、男女別には男性の方が長い。
  • 既婚女性の就業環境についてみると、通勤時間は正規雇用で企業規模が小さいほど短いが非正規雇用では企業規模による差は小さい。結婚・出産後の仕事の続けやすさは企業規模の大きい方が評価は高いが、育児休暇制度の整備・周知状況に比べると差が小さく、中小企業における制度外での対応の存在を示唆する。仕事内容への興味の度合いは正規雇用・非正規雇用とも企業規模が小さいほど評価が高い。能力発揮や技術習得に関しては中小企業の方が大企業より評価が高い。昇進・地位向上の機会は企業規模が大きいほど評価が高い。
  • 既婚女性の同じ会社での勤務希望と就業環境との関係をみると、正規雇用・非正規雇用いずれも通勤時間の短さ、結婚・出産後の仕事の続けやすさ、仕事内容への興味、人間関係の良好さの4項目が正に有意な関係にある。中小企業は仕事内容への興味と正規雇用における通勤時間の短さで優位にあり、能力発揮と技術習得の優位性を活かすことが就業環境面での強みとなる。
  • 世帯収入の主たる担い手である男性について所属企業規模別に世帯のライフスタイルをみると、世帯収入額や貯蓄額は所属企業規模が小さいほど少ない。生活程度の水準や満足度も所属企業規模が小さいほど低い。家庭における女性の家事負担の重さは所属企業規模間の差は小さい。

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