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調査研究論文の要旨

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地域の小規模美容室の必要性と持続可能性について

  • 美容業は、地域の生活・コミュニティを下支えする生活インフラ関連型のサービス業である。
  • 美容業のような人と直接接触することで成り立つサービス業は、IT技術や機械化で全てを代替することはできない、効率化が難しい業種である。低価格チェーン店や都市型の高級店はそれぞれの特徴(短時間・低価格、技術の質・高級感など)を打ち出し、業容を拡大している。しかし、地域の小規模美容室は低価格チェーン店と都市型の高級店の中間に位置し、施術の価格・質いずれにおいても特徴を出せず、苦戦している。
  • 地域の小規模美容室の一部は、厚生労働省の指針にもあるように、今後増加することが見込まれる高齢者のニーズに合わせたサービスによる顧客開拓を行っている。しかしながら、規模の拡大や分業による効率化は、地域の小規模美容室が単独で行うには限界がある。
  • 先進国において、健康の定義は「生存か死か」「病気ではない」から、個人の日常的活動能力、更に主観的健康感のような生活の質(QOL)をもって測られるようになった。主観的健康感は医学的な健康状態ではなく、自らの健康状態を主観的に評価する指標であり、「主観的健康感が高い人ほど疾患の有無にかかわらず生存率が高い」、また、「生活満足度との関連では、満足と考えている人の方が、主観的健康感が高い」という研究結果もある。外見を整え、「地域の活動に参加する」「趣味をもつ」「なるべく外出する」ことは、主観的健康感を高める。美容業は外見を整え、主観的健康感を高め、健康寿命を延伸する役割を果たしている。高齢化社会が進展するなか、美容業はまさに、地域の生活・コミュニティを下支えする業種である。
  • 地域の小規模美容室が地域住民の主観的健康感を高め、地域の生活・コミュニティを持続的に支えていくために、美容組合等によるサポート体制や仕組みづくりについて提案する。
  • 美容施術を行う美容師・美容室と、そのサービスを受ける地域住民をつなげ、地域の持続的な発展と活性化を持続させるスキームは、地域包括ケアシステムの中でも一つの役割を担うものとなると考える。

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