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調査研究論文の要旨

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中小企業における自己変革力―組織の変化適応力強化に向けて―

  • 中小企業の生産性は伸び悩んでおり、強みといわれている機動力、柔軟性といった環境変化への適応力が十分に発揮されていないように見受けられる。
  • 組織構造の面からみるとフラットな組織は大規模な官僚的組織と比べると効率性は劣るが、柔軟性・迅速性は勝る。また、シュンペーターの「新結合」に該当するようなイノベーションについては小規模な組織が有利であり中小企業に対する期待は大きい。
  • 経営環境の将来予見が難しい時代といわれ、変化適応力強化が課題とされている。こうしたなか企業内外の資源を再構成して自己を変革する能力として「ダイナミック・ケイパビリティ」が注目されており、その考え方は中小企業にとっても示唆深い。
  • しかし、どのように資源を選択し、再構成するのか、組織全体を刷新していくのか、については当該組織に委ねられており、実践に活かすためには現場力が鍵となる。
  • 中小企業が求めているのは実務に役立つヒントや考え方、方法論であり、ブリコラージュやアジャイルのような現場発の知恵や思考パターンも活用していくべきだろう。
  • 事例からは、当たり前のことを当たり前にやる、変えるべき点と変えるべきでない点を見極める、強みを磨く、外部資源の導入を常に念頭に置くことなどが重要であることが読み取れる。また計画主義を否定するのではなく、愚直にPDCAサイクルを回すとともに、日々「気づき」が得られる仕組みを構築することが組織の変革につながる。
  • 変化の激しい時代だからこそ「経営の軸」を明確にし、周知徹底することが重要となる。そのうえで変革を成し遂げるための土台となる組織能力を養成するとともに、その能力を実践の場で発揮できるような経営を行うことが組織の自己変革力を高めることにつながる。
  • 組織の潜在能力が変化しない静態では現有能力をできるだけ顕在化させることがメインテーマとなり、組織内の様々な軋轢を取り除く工夫が必要となる。一方動態では組織の潜在能力そのものを高めること、つまり利用可能な経営資源を増強することがメインテーマとなる。
  • 中小企業が「組織」の持つ力と可能性に目を向け、その活性化に取り組むことが自己変革力の強化に直結する。

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