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調査研究論文の要旨

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中小企業の組織経営・人事政策と企業業績との関連

  • 中小企業 の組織階層 は 社長・管理職・社員の 3 層構造が主体であるが、従業員 20 人以下 の企業では社長・役員と社員からなる 2 層性の様相が高まる。企業規模が大きくなるほ ど 管理職のなかで 意思決定に関与しない中間管理職の比重が高ま る。企業 規模が小さい ほど経営トップの意思決定への関与が強くなる。
  • 本論文では企業の 個票データを用い、中小企業の組織運営・人事政策と企業業績との関連 について分析を行った。 分析にあたっては中小企業を従業員規模別に 5 つの区分に分け て相互 に 比較 し 傾向を 探った 。
  • 中小企業の組織政策と業績との関係においては、従業員数 100 人以下の企業で組織イノ ベーションへの取組みが業績と相関する。従業員 300 人以下の企業では経営トッ プの呼 びかけや経営戦略化を通じた業務・制度改革推進が 相関性を持つ 。 見える化も 従業員 100 人以下では業績と相関するが、 20 人以下では効果が薄い。
  • 中小企業の人事政策と業績との関係では、関連性の高い項目は少ないものの、正社員の賃 金上昇と、数年先の見通し反映 や 労働生産性向上を見据えた人材育成が 従業員 100 人以 下の企業で 業績と関係する。
  • 社内で観察される社員の様子(働きやすさ等)は従業員規模が小さいほど肯定的な結果と なっている。このことと業績との 関連性 は データ分析上 認められない ものの、 中小企業の 持つ優れた点であり、 今後は このメリットを生かし て優秀な人材の採用と定着を図り 業 績 向上 に結び付けていくことが期待される。
  • 既成中小企業においては、 組織構成面では従業員数 20 名が、組織・人事政策と業績との 関係において は 従業員数 100 名が区切りとなる。
  • 組織が簡素な中小企業でも 組織のあり方や機能向上に意識的に取組むこと にはメリット がある。また、従業員 100 人以下の企業で取組みが業績に結び付きやすいので意識的に 組織・人事政策に取組むことが望まれる。

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