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調査研究論文の要旨

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中小サービス業におけるDX推進ーDXという未来の共創ー

  • 中小サービス業において、DXの推進は遅れており、IT化やDX推進は喫緊の課題であるという。
  • DXが遅れている要因について、先行研究では「投資額を絞っているので、(IT)ベンダーと の協力関係が築けない」、「経営者がリーダーシップを発揮するといっても、社内で専門部署 を作って任せきり」などの例が紹介されている。
  • その中には、社内にITやDXに精通した人材がおらず、結局は外部のシステム開発会社やコ ンサルタントに任せてしまい、自社に適したシステム構築が出来ないというものもある。
  • 製造業では社内に理系人材が存在するが、サービス業においては理系人材が少ないか、もし くは存在しないと考えられる。従って、社内での人材確保は難しい。外部からITに精通した 人材を招こうにも、IT人材の質を見抜く人事担当者がいる訳ではない。また、IT人材の勤 続年数は傾向的に短く、社内に定着させることは難しい。
  • 今回の調査事例からは、システム導入企業とシステム開発企業との「共創」が見て取れた。 IT人材が不在な場合でも、「共創」により自社に適したシステムを導入・運用し、業務改善 や顧客ニーズへの対応ができている。
  • 事例企業においては、「自らの業種に特化したシステム開発会社をグループ内に持ち、業種 特有のノウハウを含めてシステムを外販」、「システム導入企業とシステム開発会社間での改 良改善に関する素早い対応と定期的なフィードバック」、「システムに搭載されたAIを活用す るため、システム導入企業とシステム開発企業間の連携」など、それぞれに特筆すべき特徴 がある。
  • また、事例企業で共通しているのは、「顧客との接点を大切にする」という方針である。サー ビス業における「従業員の負担軽減」のためのIT化は、顧客に対するより良いサービスの提 供に繋がる。また、デジタル化により、経営者は自社の分析に利用するデータをリアルタイ ムで得ることができるようになる。IT化はその企業内において「人」という労働力の代替と なるのみならず、将来の姿を予測するための重要なデータを得るためのツールとなっており、 それがDXにつながっていくと思われる。

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