概要を動画でご覧になりたい方はこちら(著者が10分程度で紹介します)
全文をご覧になりたい方はこちら(PDF)
-
地域ブランドの海外展開における実施主体の行動
-
- 日本は少子高齢化により国内での購買力が減少傾向にある。そんな中、地域ブランドを活用して海外市場を開拓しようという動きがある。
- 「地域ブランド」という概念自体は、あいまいでつかみづらいものである。
- 地域には、明確な定義が無い。日本では、地域とは「国」、「都道府県」、「政令都市」などであり、「地方の1都市」や「江戸時代の藩」を指すこともある。海外を含めて考えると、さらに大きな括りとして、「ヨーロッパ」や「EU域内」という範囲も一つの地域であり、「東南アジア」も一つの地域となりうる。
- ブランドもまた抽象的な概念であり、具体的なイメージをつかみにくい。ブランドは、企業が自ら作り上げ、発信しただけではブランドとは言えず、そのブランドを使用する顧客側がブランドと認識して初めてブランドとしての価値を持つものである。
- 地域ブランドを活用する企業・自治体も、(概念自体があいまいなので)実際に「地域ブランドの展開と言っても何から手を付けて良いかわからない」という声もある。加えて、自治体においては地域における公平性を意識した対応が必要で、慎重な行動を迫られる。
- ここでは、事例として「佐賀の酒」「青森の黒にんにく」「藤枝の茶」を取り上げる。いずれも地域名と地域で生産される商品を結び付けて地域ブランドとして海外に展開した。地域の特性を生かし、海外に販路を拡大している(もしくは拡大しようとしている)。
- 事例に関係した企業においては、海外進出に向けた商品販売において同業者、自治体、支援機関等との協力体制の下での販売促進を行っていた。
- 地域ブランドの醸成とその海外展開は、その過程においてマーケティングのノウハウが蓄積され、地域の中小企業の販路拡大による地域経済の活性化に資するとともに、各企業個々の体制・体力向上に資するものとなっている。