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調査研究論文の要旨

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地域ブランドの海外展開とインバウンドへの効果

  • 日本は少子高齢化により国内での購買力が減少傾向にある。こうしたなか、地域ブランドを活用してインバウンドの誘客に結び付けようという動きがある。
  • 「東京」「大阪」「京都」「北海道」など、既に海外で知名度が高い地域においてはオーバーツーリズムが発生し、地域住民の生活に支障が出ているところもある。一方で、インバウンドの誘致が出来ていない地域がある。一部地域のオーバーツーリズム回避策として、また、地域活性化のためにも、インバウンドをこれらの地域に誘導することが必要である。
  • 知名度が低く、インバウンドがあまり訪れていない地域として、東北地方がある。東北6県の一つである山形県は、地域の魅力を海外に発信し、インバウンド誘致につなげようという取り組みを始めている。
  • 地域名を冠とした地域ブランドの海外展開による認知拡大は、インバウンド増加の第一歩である。自治体の中には、DMOや地域の企業と連携して、地域の魅力をアピールする取り組みを進めているところがある。インバウンドで直接の恩恵を受けにくい製造業が、海外拠点の社員や取引企業の視察を受け入れることが、インバウンド消費につながるという例もあった。また、地域で核となるような人材育成への取り組みを進めている自治体もある。
  • これらの取り組みによりインバウンドが増え、地域での消費が増加することは、地域企業の収益向上につながる。と同時に、地域活性化に資する。さらには、インバウンド誘客の過程において、DMOや地域企業にマーケティングのノウハウ等が蓄積される。
  • ただし、地域ブランド取り組みの主体が複数(多数)になることから、全体をまとめられる人材が必要である。もちろん、地域住民の協力も必要なのは言うまでもない。持続的な地域振興につなげるためにも、地域そのものをブランドとして海外に発信し、インバウンド誘客推進の核となる人材の確保や育成がこれからの課題である。
  • 事例先においては、自治体と企業が地域内・地域外と幅広く連携して行動しており、かつ、長い目でみた地域における人材育成にも取り組んでいる。

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