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調査研究論文の要旨

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中小企業にとってのネットワーク

  • 中小企業は内部資源のみで成長することが容易でなく、既存の外部資源や能力を取り込むことで成長機会を獲得するためにも、外部ネットワークの活用は重要である(小田切2010)。
  • 本稿は、機能する中小企業ネットワークではどのような要素がそれを可能にするかを理論面及び企業経営者・ネットワーク運営者へのヒアリングから明らかにする。
  • 理論面の示唆として、ネットワークにおけるノード(構成員)間の結びつきには弱い順に「アームズ・レングスなつながり」「埋め込まれたつながり」「ヒエラルキー上のつながり」の3つがあり(入山2019)、自発的なネットワークでは前2者が重要である。ネットワークには固い結びつきと緩やかな結びつきがあり(小川2000)、近年では後者の重要性が強調される。
  • ネットワークの意義として「社会的埋め込み」効果、「情報共有と学習」、「中央の公式調整」、「評判」の4つの効果がある(西口2008)。企業ネットワークが機能するためには「中央の公式調整」効果が機能するかどうかが重要であると考えられるが、現実にはスタッフ不足に悩むネットワークが少なくない。
  • 成果を収めている企業ネットワークへの取材を通じて得られた、ネットワークが効果的に機能する条件として、①企業ネットワークにおいて、緩やかな結びつきと固い結びつきでは、前者を前提としつつもメンバーの一部が後者に発展しうる土壌を整えることで、両者を併存させる、②事務局として専任担当者に加え、複数の企業経営者のコミットや母体組織のフォローを取り入れることで「中央の公式調整」を強力かつ効果的に機能させる、③外部支援機関と良好な関係を構築し、情報提供やビジネスチャンス、制度支援を積極的に取り入れる、の3点の重要性が示唆される。このことでネットワークに正の相乗効果が生じうる。

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